ブックレビュー:いまの科学で「絶対にいい!」と断言できる最高の子育てベスト55
そもそも論になるが、子育てという領域は非常に科学的なエビデンスにかける常識が多いように感じる。
例えばアスリートのトレーニングは科学的な検証を元に日々改善されており、数十年前とは比較にならないくらい効率化が進み、それが記録という結果に表れているように思う。
大体の競技で世界レコードが何十年も前の記録が破られていないということは少ないことからも推測ができる。
しかしながら子育てに関しては、何十年も前に子育てをしたおばあちゃん世代からの受け売りが多いように感じる。
ミルクはだめだ、母乳にしろ。痛みを伴った出産こそいい出産だ。ベートーベンをお腹の中で聞かせると良い。等々
と、言うことで過去の踏襲ではなく、現代の科学から子育てにおいて、親が取るべき最適な行動は何かを自ら勉強をしていくべきと感じた為、書籍からその知見を得ていきたいと思う。
ということで、タイトルの本を読んでのメモ
①赤ちゃんとは絶えず触れ合う
赤ちゃんの最も強い欲求は、「安心感」である。
そして、その安心感を醸成する為に、最も効果的なのは、赤ちゃんに触れることである。
触れることで、神経系物質の放出が促され、赤ちゃんのコルチゾール値、すなわちストレスホルモンが下がり、脳に「安心」の信号が送られる。
ストレスホルモンのバランスが取れていると
赤ちゃんの学習、理解に必要な神経回路がまもられ、心血管と免疫システムが正常に機能できる。
このストレスホルモンのバランスが損なわれると赤ちゃんはストレスへの反応が鈍くなるか、常に警戒態勢を取ることとなる、そして後に攻撃的または怠惰になる傾向が強まる。
触れ合う際は、出来るだけ肌と肌で触れ合うとより効果的である。
出来るだけ抱っこをし、室内では裸と裸で抱き合うことで、赤ちゃんのストレス緩和より繋がる。
②赤ちゃんの真似をする
赤ちゃんは自分の真似をされることが大好きだ。
親と波長が合うことで脳の発達を助けるのである。
特に赤ちゃんが真似をされて嬉しいのは以下の3点である。
・表情
・声(赤ちゃんが声をだしたら、声が返ってくる)
・目線(赤ちゃんが見つめようとしたら覗き込まれる)
尚、赤ちゃんは刺激が多すぎる時以下の方法で伝えようとする。その際は少しの間そっとしておくことも重要である。
・顔を背ける
・目を閉じる
・視線を避けようとする
・体をこわばらせる
特にうちの娘は視線を避ける傾向が強いように感じる。
視線を避けた際はそっとしておこうと思う。
③赤ちゃんに言葉を浴びせる
3歳までに言葉を浴びせるほどIQが高くなる。
なんと出産予定日の10週間前から、赤ちゃんは音を聞いて言葉を吸収し始めるのである。
尚、赤ちゃんがお腹にいる時の父親の声はほとんど赤ちゃんに届いていない為、母親の言葉が対象となる。(赤ちゃんがお腹にいるときに私が熱心に話しかけた言葉もどうやら伝わっていなかったようである)
この言葉は赤ちゃん言葉にこだわる必要はなく、普段大人が話している言葉を話しかけることで十分である。(赤ちゃんは単語を知らないので、単語にこだわる必要はない)
その代わり重要なのは、会話を横から聞くだけではなく、赤ちゃんと顔と顔を合わせて、話しかけること。
CDやビデオや動画を流すだけでは、刺激とならならず、話しかけられる回数の多い赤ちゃんは脳が活性化する。
では、具体的にどのくらいの単語を浴びせれば良いか、それは毎日21,000語が望ましい。
目安として、1時間に15分おしゃべり程度の分量である。
④読み聞かせをする
・6ヶ月まで
絵本を読み聞かせる
・6〜12ヶ月
指差しを促したり、ページをめくらせる
・12〜18ヶ月
効果音や手振りを使いながら読み聞かせる
・18ヶ月〜3歳
出来るだけ子ども自身に読ませる、子どもに質問しながら読み聞かせる。
子どもに参加するスタイルの読み書きせを15週間続けると子どもの口語能力がアップしたというデータもある。
以下は子どもが言語力を伸ばすための4つのテクニックである。
・うながす
本について子どもに何かを言わせる
・評価する
子どもの答えを評価する
・膨らませる
言い換えや情報を追加し、子どもの答えを膨らませる。
・くりかえす
いずれにしろ子どもにインプットするだけでなく、アウトプットをさせることが重要ということである。
そして、小さいうちから読み聞かせを継続することで、読書好きの子どもになりやすい。
読書好きの子どもは語彙力が増し、学校の授業の理解力が上昇する。なぜなら、読んでいる問題の意味より、内容を理解することに時間を避けるから。
と言っても、読み聞かせを継続的に行うにはなかなか時間の確保が難しい。
時間を作るための最良の策はテレビを消すことである。
⑤バイリンガルにする
第二の言語の強化はCDや録音テープでは不十分であり、生身の人間から浴びせられた言葉からでしか学べない。
そして、バイリンガル教育は子どもの脳にプラスに働き、言語習得だけでなく、創造性や実行力の向上にも寄与する。
7歳までの子どもは第二言語をネイティブとほぼ同等の堪能さで習得できるため、チャンスは7歳までである。
我が家の場合、まずは親の言語力向上からである。道は遠い…
⑥テレビを見せない
テレビ視聴のプラス影響は認められていない。
少なくても2歳までは人間の脳は人間から学ぶようにプログラミングされている。
対面式の交流によって脳のフィルターが働き学習される。
いわゆる知育ビデオすらもその効果が認められておらず、むしろ知育ビデオを見ていた子どものボキャブラリーはビデオを見ていない子どもよりも少なくなった研究すらある。
テレビを見ることで、探検する、遊ぶ、動くといった発育の鍵となる活動をしなくなることが原因として考えられる。
また対面での交流がなくなることで、子どもらしい行動がストップしてしまう。
よって2歳まではテレビを禁止することが望ましい。
完全禁止は難しいので、我が家でもテレビ抑制生活をしていきたいと思う。
2歳を過ぎればテレビから学ぶことも出てくる。
1歳半から2歳半 の間に情報処理能力が変化し、テレビからも学べるようになってくる。
具体的には、語彙力が向上し、社会性が増すことがわかっている。
ただし、長時間のテレビ視聴は肥満を促進し、読書の時間を奪い、集中力の低下や睡眠を妨げる等の悪影響があるため、1日2時間程度が理想である。
長くなりましたが、以上になります。
非常にタメになる本でした。